性的反応の脳科学

 性的反応は、単に身体の局所的な出来事ではなく、脳全体のネットワークが関与する高度なプロセスから成り立っています。視覚・触覚、また記憶や感情なども統合し、神経とホルモンの活動が連動することによって起こります。

 まず、性的な刺激を受けると、脳では、視覚野や体性感覚野と呼ばれる領域が反応します。その情報は扁桃体に送られ、感情的な意味づけが行われます。「魅力的か」「危険ではないか」といった判断がここで行われ、安心が確認されると、視床下部と呼ばれる良識が活性化し、ホルモンの分泌の指令が出されます。

 同時に、脳の側坐核からドーパミンが放出されます。これが「欲求」や「期待」を生み出します。ドーパミンは快楽そのものよりも、「これから得られるかもしれない」という期待に強く反応します。

 一方で、脳では同時に、性的反応を抑制する回路も存在します。前頭前野は自己評価や社会的判断を担う領域です。「うまくやらなければ」「変に思われないか」と考え始めると、この部位が過活動になります。そうなると、興奮系の信号にブレーキがかかってしまいます。緊張しすぎて勃起しなくなるなどは、前頭前野の過活動によって起こることが多いです。

 また、性的な反応には自律神経も関与します。性的興奮の自律神経の作用はすごく複雑で、交感神経と副交感神経の両方が必要です。興奮の初期には交感神経が優位になる必要がありますが、持続的な反応や、広がっていく感覚には副交感神経が作用します。

 さらに、性的接触によって分泌されるオキシトシンは、安心感や結びつきを強めます。これは愛情や信頼と関連し、単なる刺激とは異なる満足感をもたらします。つまり、欲求(ドーパミン)と絆(オキシトシン)は、似ているようで異なる回路で動いているのです。

 以上、性的反応が起こる際の脳や神経の反応についてのまとめです。アーナンダのリンガムマッサージセラピストは、このような研究をされている大学の先生とも連携をしてお客様の満足度が高まるように取り組んでいます。